四足歩行の馬のいない『ウマ娘の世界』において、ある重大な発見があった。
なんと四半世紀前この地球上に存在していた四足歩行の馬、シンザンの化石が発見され、ウマ娘学園は大騒ぎになる。
ここで駿川たづなは重大なことに気づく。
ウマ娘がこの世に発生した時期も定かではなく、進化論(ウマ娘でいう因子継承のことではない)はウマ娘にも通用しない、新発見のウマ娘はどんどん増えていくばかり。
しかし、実在上の競走馬(ディープインパクト、オルフェーヴルなど)の記録は残っているのに、なぜか造形が人々の記憶から消えていたのだ!
しかも誰もがそのことに疑問を感じていない。

何かこの世界には秘密があるのか。ウマ娘達も自分の生きる世界について考え始める。
その最中、突如シンザンが動き出し、ある場所を目指し進撃を開始する。
ウマ娘たちは追い抜かれていく。とにかく邪魔なものは踏みつぶす。海も川も越え…。
ライブ会場は破壊されてゆく、秋川理事長は厩舎を踏みつぶされても「いつかこんな時が来ると思っていた。何故こうなるのかわからないのだ」としかしゃべらない。
実は秋川にもわかっていないのだ。『いつかこんな時が来ると思っていた』以外は。

ウマ娘たちは本能的にシンザンを追い抜こうとする。
シンザンを止めなければ『ウマ娘の世界』が危ういと感じたからだ。
人間たちも協力し始める。
そこにはいつもの敵味方もありはしない。
しかし、冷静なのは『馬』を操る術に長けた人間のタケユタカだけだ。

そしてシンザンはある場所で動きが止まる。
果たしてその場所とは…。