別の角度から考察するのは日本ハム(06〜08年)、中日(12、13年)でコーチ経験のある平野謙氏だ。「今季だけ全部ソロはたまたまかもしれませんが……」と前置きしてこう続ける。

「プロ5年目にもなれば、分析され尽くされている。走者がいる時は相手バッテリーのギアが上がるし、打者に対する攻め方はより慎重になる。そこに対応できていないのでしょう。今季の本塁打のほとんどは外角の甘めの球や、山を張った内角の球ばかりで、勝敗にもあまり影響がない場面。つまり、相手バッテリーが“本塁打を打たれても1失点”とナメているか、集中力が切れた状況なのです。清宮は打席で山を張るケースが多いように感じるが、それは実績と経験があってこそ成立するもの。あれこれ考えず、投手の失投を一撃で仕留める気持ちで臨めば、ランナーがいる時の打率も変わってくると思います」