「んっ…ここで負けたらアカン…す…よ」
対立する青竜組に誘拐・監禁された彼は執拗な拷問を受けていた。
もともと彼の属する組は青竜組を遥かにしのぐ勢力であった。
しかし感染症による仲間の離脱で、彼が孤軍奮闘している状態となってしまった。
そこを卑劣な青竜組が狙い、若くして組を担う彼を誘拐したのである。

青竜組による拷問は壮絶なものであった。
人気のないドーム球場に全裸で磔にされた彼は、三日三晩責め続けられていた。
青竜組の構成員は「単打拷問プログラム」を履修しており、コツンコツンと生かさず殺さずの継続的な拷問を得意としていた。
彼の白い肌を無数に汚す鞭跡の赤色やアザの青色が痛々しい。
単純な暴力だけではない。
性的な暴力が彼の尊厳を踏みにじり、心を衰弱させていった。
繰り返される肛門への異物挿入や、強制的な射精。
その行為自体による心身へのダメージも甚大であったが、それに少しの瞬間でも快楽を感じてしまうことへの自己嫌悪が何よりも彼の心を激しく侵していた。

彼は限界であった。
「これはいつまで続くと…?またみんなと会いたいっす…でも…もう…アカン…す……」
生き伸びることすら諦めようとする弱りきった心があった。
青竜組の下っ端達が目の前で笑っている。
瞬間、その笑い声が悲鳴に変わった。
何があったのかと彼が目を開くと、先程まで自分を虐め抜いていた男たちの首や血が転がっていた。
その中心には、よく見知った男が立っていた。
「よう耐えたな、もう大丈夫やで」
「あっ…ワイさん……っ!!」
2人の逆襲が始まる。