大量の二酸化炭素を排出し続け、将来は大気を浄化すればよいという都合のよい考え方は、いわゆる「モラルハザード」の一例である。化石燃料の使用を続け、気候変動に対処するためのコストを将来の世代に押し付けてしまう危険性がある。

これはもっともな懸念だ。一部の企業は、「二酸化炭素を除去できれば、世界全体において現時点の半分近くの量の二酸化炭素を排出し続けられる」と誤った説を唱えている。しかしそのためには、技術的・環境的・経済的、あるいはそのすべてにおいて、ほぼ間違いなく不可能なレベルで二酸化炭素を回収し、閉じ込めておく必要がある。

https://www.technologyreview.jp/s/280104/we-need-to-draw-down-carbon-not-just-stop-emitting-it/