【レッズ・秋山翔吾のシンシナティ・ノート Vol.4】栗山さんの背中
https://pacificleague.com/news/25007

【レッズ・秋山翔吾のシンシナティ・ノート Vol.4】栗山さんの背中

共有
【レッズ・秋山翔吾のシンシナティ・ノート Vol.4】栗山さんの背中
氏原英明

選手フォーカス
インタビュー
2020.6.8(月) 19:00



 今季からレッズに移籍した秋山は埼玉西武ライオンズ在籍時代、4度の最多安打者のタイトルをはじめ、首位打者(1回)、三井ゴールデン・グラブ賞(6回)、ベストナイン(4回)など輝かしい成績を収め、NPBでは2位となる739試合連続フルイニング出場を果たした。試合後すぐに、室内練習場での打ち込みを行うなど努力家としても知られるが、ただ盲目的に努力を続けたわけではない。先輩の背中を追うなかで、自分のすべきことが明確にして正しい努力をするようになった。

 シンシナティノート第4回は、秋山がどのようにして、自分を奮い立たせてきたのか。彼がずっと追いかけてきた先輩の存在、そして、レギュラーを掴んだ時から始めた「ひとり親支援」についての想いを語った。
(文・氏原英明、編集・パ・リーグインサイト編集部)

過去の連載はこちら
・【Vol.1】経験しないとわからない想定外の話
・【Vol.2】右も左もわからない……どうなるキャンプイン
・【Vol.3】ライオンズ時代のチームメイトや同級生を、僕はこう見ていた

栗山さんの年齢まで野球をやりたい
 日本ではキャリアを積み重ねることができましたが、僕にとって、一番大きかったのはチームメイトの存在でした。なかでも、栗山(巧)さんがいなかったら、ここまで頑張れなかったというのはあります。栗山さんがずっとバットを振っていた姿というのは、目に焼き付いています。自分の中で何か折ってはいけないものを持ち続けているように感じました。文章で言えば「真摯」という言葉が一般的になるかもしれませんけど、僕の場合は「抗う」とか「肩ひじ張って」というか、何か譲れないものを守っているような印象でした。

 栗山さんが練習している姿を見て「やっぱり俺はあの年齢まで野球をやりたいな」といつも考えさせてくれました。僕から見て栗山さんは5歳上なんですよ。つまり、5年後の自分を想像したときにあの姿になっているかどうかっていうのを常に持つことができた。つまり、一緒に現役を続ければ続けるほど、もう5年やらなきゃいけないと思い続けられた。

 栗山さんが伝えたいものと、僕が今感じているものって違うかもしれないですけど、でもやっぱり栗山さんに言われた言葉はすごく刺さりましたし、重みを感じました。特に覚えているのが、ある試合でバントを失敗してその日、トレーニングをしていたら、ウエイトルームにいた栗山さんから「お前こんなところでトレーニングやっている場合じゃない、早くバントやってこい」と言ってくれたんです。今ってわざわざそういうことを言う人っていないんですよね。