懸命に走った。2回。佐藤は真ん中高めにシュート回転して入ってきた平井の139キロ直球をジャストミートした。打球はライナーで右翼方向へ。「入ると思わなかったので無我夢中で走っている時に歓声を聞いてホームランだなと。ガッツポーズに素の喜びが出ました」。スタンド最前列へ突き刺さるうれしい先制のプロ1号に表情を崩した。

直後に、さらにうれしい出来事があった。東洋大時代、西武の試合を動画で見た。サヨナラ安打を打った栗山がヒーローインタビューで「チームの勝利のために」と熱く語る姿を見てファンになった。その栗山が打席に入る際、「ナイスホームラン」と声をかけてくれた。「今日は栗山さんの誕生日だったので変な気持ちですけどうれしかった」と笑顔を見せた。

5回には左腕斉藤大から2点適時二塁打。「2ストライクに追い込まれた中でも、甘い球をしっかり仕留められた。左ピッチャーを打ったこともすごい自信になります」。