1点を追った6回、スクイズを成功させて同点に。延長10回、先頭打者を四球で歩かせ、1死二塁から申告敬遠と四球で満塁の大ピンチ。1つのミスも許されない局面で、マウンドに3番手の野口智矢投手(2年)を送った。相手3、4番を打席に迎え、2年生右腕は「全球まっすぐで押していきました」と、3番打者を二飛、4番打者を遊飛に抑え、無失点。明石商ベンチでは、狭間善徳監督(58)が甲子園でもおなじみとなった“狭間ガッツ”を繰り出し、喜びをあらわにした。
指揮官の気合が選手の背中を押したのか、延長11回2死二塁で松村青空(そら)捕手(3年)の打球を相手二塁手がはじく(記録は内野安打)間に、二塁走者が決勝のホームへ。その裏1死二塁のピンチも切り抜け、明石商が大一番を制した。

狭間監督は「奇跡が起こったね。どう考えても8対2くらいでうちは弱いチームやったけど、対策を練って練って“お前らが1つになってつなごうという気持ちがあったら、野球はわからんで”って。春に優勝したチームは夏、出られへんから。そういうのもあって」と春の“ジンクス”を挙げたが、実は18年の明石商が春の兵庫、夏の西兵庫大会を制して甲子園に出場していた。