小林雅英さん
重要な心の準備「アウトは自分で掴むもの」

「どれだけゲームの中で情報を得られるかどうか、ですね。情報については、特にクリーンアップのものです。下位打線になると、代打が出てきたりするので必要以上に考えなくてもいいですけど、やっぱり上位打線、クリーンアップ、6番くらいまでは情報が必要です。他の投手が投げているときに、どういう反応をしているのか、どういう空振りしているのか、どういうボールでどういう凡打になっているのか、どういうボールでいい当たりをしているのか……。映像で見られれば最高です。ブルペンにいるときも、シーズン中のように100何試合もそういうことをするわけではないので、今までの過ごし方とは違うかもしれませんけど、その中でどれだけ情報を得て、自分のピッチングを考えようか、ということですね。

 あとは、いただいた点数の中でどうやって3つのアウトを取るか。最低でも同点までで止める、ということですね。もちろん、3者凡退を目指しますけど、それを最大の目標にすると、ランナーが出たときに『どうしよう』となって、どうしようもできなくなってしまうので、(打席の)結果、点差、打たれる方向、そういうところで許容範囲を自分の中で作っていくと、何かが起こったときに臨機応変に『大丈夫。これは俺の許容範囲の中だから』となれます。もしくは、許容範囲でないことが起きても『こうなっちゃったな。じゃあ、次どうしようかな』と、色々なシミュレーションができます。なので、マウンドの上で『どうしよう』というふうにならずに、ちょっと心の余裕につながります。周りはヒヤヒヤしてるんですけどね(笑)。でも、自分は走者が三塁にいてもそれほどヒヤヒヤしないですし、落ち着いて投げられる」