>>980
陸上の日本一を決める大会で、痛々しい事故が起こった。安田が5メートル40の跳躍を行った直後のことだった。
失敗すれば競技終了となる3回目。体は鮮やかな弧を描き、バーの上を通過した。マットへ着地しようとした空中で、悲劇が起きた。
直前まで手にしていたポールがでん部、ちょうど肛門(こうもん)部分にグサリと突き刺さった。
安田は苦痛に顔をゆがめながらマットに落下。ほとんど同時に、先端が血で赤く染まったポールが、体の横に倒れてきた。
あまりの痛みに声も出ない。大量の出血でもともと赤いマットが赤黒く染まった。すぐに応急処置が施され、担架で医務室に直行。
救急車で運ばれた。陸連関係者も「こんなの見たことない」と驚くばかりだった。
病院での診断によると、肛門から直腸にかけて、裂けたような状態になったという。同日夜、医師2人の立ち会いのもと、
約2時間の緊急手術を受けてそのまま入院したが、生命への影響はないという。安田のポールは先端にカバーをしていなかったため、ダメージが大きくなった。