>午後8時半。神戸市中央区のJR新神戸駅近く。親子だろうか、2頭のイノシシが幹線道路を悠然と横切る姿に遭遇した。慣れた足取りで住宅街を歩き、路肩に積まれたごみ袋を次々に物色していく。

>六甲の山裾に住宅街が広がる同市では、イノシシが頻繁に出没し、ごみや植木が荒らされる被害が絶えない。近年は人を襲う事故が市内で年20件余り発生。今年は既に7月中旬までに23件、負傷者は21人に上る。

>事態を重視した神戸市は6月末、出没地域周辺でパトロールを開始。山から市街地への進入路を確認するカメラの設置も進める。

>「人を恐れないイノシシを生み出したのは人間自身です」。兵庫県森林動物研究センター(丹波市)の横山真弓主任研究員は指摘する。登山道や山に近い住宅街で餌をもらうことで人への恐怖心が薄れ、街にごみなどの食べ物があることを学び、出没を繰り返すようになる

https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/photo_gallery/05/201407/sp/0007174390.shtml