ヒットマン自身が、俺に「あいつを殺したい」という強烈な恨みを抱いているわけやない。

ヒットマンの目的はカネや。成功報酬3億円が保証されとるんやったら、それに匹敵する見返りをこっちが別に準備してやればええ。

3億円分に匹敵する利益が発生する情報を、俺はヒットマンに提供したった。

その情報を使ってビジネスをやれば、フィリピンで一生メシを食っていける。フィリピン人のヒットマンを裏で追い払ってやったんや。〉


(『死なばもろとも』182~183ページ)