②今思えば、この時に気付くべきでした。姉は彼女に誘われ、その団体の主宰
している「カルチャー教室」に参加するようになりました。姉の話によると、
なんでも「平和について学ぶ」とかいう講座で、ビデオを繰り返し見て、その
後に講義を聴くものだったそうです。しかし、「平和について学ぶ」といっても、
その内容は「日本人がいかに韓国人を苦しめたか」というものでした。そのよ
うな内容のビデオを延々と見て、その後に「日本人がいかにその罪を償ってお
らず、無責任な対応に終始しているか」という話を団体のスピーチ係から聞か
されるのだそうです。
ある日、姉は真っ青な顔で「日本軍は朝鮮の従軍慰安婦の人たち150人を並べ
て次々と首を切り落とし、その頭でスープを作って慰安婦たちに無理やり飲ま
せた……」と私に語りました。私もその話にショックを受けたのですが、同時
に「なにか大げさだな」と疑問に思いました。
そのカルチャー教室に出入りする内、次第に姉の様子が変わり始めました。姉 は、「日本人に生まれてきたことが恥ずかしい」とか、「日本人は今すぐ韓国人
に償いをしなくてはならない」とか、「日本の今の繁栄はすべて韓国の人たちの
犠牲の上に成り立っている」とか、切羽詰った顔でそう繰り返すようになりま
した。そして学業そっちのけで韓国語の勉強を始めました。