リーグ戦の再開に向けて、チームは少しずつ歩みを進めている。新型コロナウイルス陽性判定を受けた主力野手の岡本和、中田、丸らも隔離期間を終え、順次個別練習で再始動している。ただ、万全のコンディションを整えるには時間を要することもあり、再開後のチームを支えるのは陰性だった選手の働きになる。

 そうした中でキーマンとなるのが、球宴にも出場した小林だろう。今季は出場機会こそ限られているが「経験のある選手が先頭に立ち、若い選手をサポートして、チームを盛り上げていきたい」と話してきた言葉通り、マスクをかぶれば「腕を振ってこい」とばかりにジェスチャーを交えて強気な姿勢で投手陣を鼓舞する。

 さらに試合前練習では若手投手陣に自分から声をかけてコミュニケーションを図り、試合中もベンチの時には若手メンバーとともに立ち上がって大きな声を出し、交代した投手が戻ってくれば、自然と横に立って言葉をかけている姿がある。

 原監督も「リーダーシップを強く持っている人」と評価し、開幕前に主将の坂本が戦線離脱したことでキャプテン代行に指名し、坂本復帰後は副主将を託している。投手、野手ともに経験の浅い選手でリーグ戦再開を迎えたとしても、小林の存在がチームに安心感をもたらすはずだ。

 思えば、今年の開幕戦で首脳陣、選手、スタッフらで組んだ円陣で小林はこのような言葉を口にしていた。

 「監督、コーチ、スタッフ、裏方さんが、本当に太い束になって、いい時も悪い時も、全部がリーグ優勝、日本一につながる道だと思って、そう信じて、全員でカバーしあって1年間戦っていこう」

 苦しい今こそ、小林が先頭に立って、チームを束ねていく姿に期待したい。
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