亡くなった兄の同級生が明かす。
「山上くんの家へ遊びに行ったことがありますが、お母さんはとても優しい人でした。もっと言うと優しすぎるお母さん。お兄ちゃんには特に甘くて、なんでも買い与えていました。彼が大病を患っていたとは知りませんでしたが、頭が陥没していたり話し方がゆっくりだったりして、何かしらの障害はあるんだろうなとは思っていました。勉強もあまりできるほうではなかった印象ですが、日常生活に困るほどではなかったと思います。普通に高校にも進学してましたから……」

「お母さんはおとなしい感じの方。でも子ども会の役員など、頑張って育児をされていましたよ。徹也くんは勉強も凄くできたし落ち着いていたからか、勉強が苦手なお兄ちゃんを特に気にかけていました。この頃は早朝に出かけて家を空ける、なんてことはなかったと思います」(母親の知人)

「教会への入信以降、母親は会社の金を使いこみ宗教にのめり込んでいったとみられる。山上容疑者は大学進学を夢見ていたが経済的な事情から専門学校に進学。学費は夫側の親戚が工面している。その後、海上自衛隊員になった山上容疑者は自殺未遂をして病院に運ばれた。さらに追い討ちをかけるように兄が数年前に自殺している」(捜査関係者)


 山上容疑者の親族は、兄をなくした山上容疑者の当時の様子を言葉少なにこう振り返る。

「(兄が亡くなったのは)8年くらい前。葬儀のときに泣きながら、『兄ちゃんアホやな何で死んだん。生きていればなんとかなるやろ』と。その言葉が忘れられません。悲しかったと思います」

 度重なる身内の死と、そこに向き合えず宗教にのめり込んでいく母親――。そこで山上容疑者が銃口を向けたのが、統一教会との蜜月関係が囁かれる元首相だったのだ。