明豊監督の名エピソード

 その指導法もユニークだ。あるとき、寮の消灯時間をすぎても部屋でカードゲーム「UNO」をやっている選手たちがいた。翌日、川崎監督は「そんなにやりたいなら、おまえらの練習メニューはUNOだ」とマウンドでUNOをさせたという。もちろんその間、練習は中断。ほかの選手はマウンド付近でその様子を眺めるというシュールな光景が生まれた。
 「その時も考えましたね。ルールを破るとみんなに迷惑が掛かるということを分からせなくてはいけないけど、頭ごなしに言っても一瞬のことですから」。自身は智弁和歌山で「ガンガンやられた」世代。もちろん、当時のやり方は通用しないので選手の心に届く指導法を常に考えている。