コロナ禍の影響で消費スタイルが変化
今年7月、中国のネット上に「若者はザリガニを好きではない」という記事が複数掲載された。その一つ、「餐飲新世紀」(6月8日)には、「なぜ若者が
ザリガニを食べなくなったのか?」というタイトルで、主に以下の5つの理由が解説されていた。

①消費スタイルが変わったこと。コロナ前は友だちを誘ってワイワイ食事をすることが多く、とくに屋台などで夜食を食べる際は、
よくザリガニを食べていた。しかし、コロナの影響で友だちと集まる機会が減り、同時にザリガニを食べる機会も減った。
家で、たったひとりでザリガニを食べてもおもしろくない。

②衛生問題が大きい。もともと川や池、沼などに生息するザリガニにはたくさんの寄生虫がいて汚い。現在はほとんどが養殖だが、
若者はとくに「健康によくない」と気にするようになった。

③コロナ禍によってコスト意識が変わった。以前は食事の価格などあまり気にしなかった人がコストを気にするようになり、
理性的に消費するようになった。ザリガニは生産地からの物流コスト、養殖コストなどが上乗せされて、需要の高まりとともに急速に価格が跳ね上がっている。

以前はレストランで2斤(1キログラム)68元(約1360円)くらいだったが、今では同じく88元(1760円)くらいにまで上がっている。
食べられる身の部分も少なく、他の食べ物と比較してコスト・パフォーマンスが悪い、割高だと感じるようになった。

④新鮮味がなくなった。ザリガニが一大ブームになって早8年くらいになるが、そろそろ飽きてきた。ザリガニを食べたことがないという
中国人はかなり少なくなり、珍しい食べ物ではなく、新鮮さがなくなった。以前は1ヵ月に5回ほど食べていた人でも、今は2回程度だという人もいる。

⑤ザリガニ専門店でなくても、どのレストランでも食べられる。どこに行っても味は麻辣味、ニンニク味など似たり寄ったりで、バリエーションに乏しい。
飲食店の競争は激化しているが、価格は上昇している。

https://news.yahoo.co.jp/byline/nakajimakei/20220810-00309667