しかし、実は、この「ペプシ・チャレンジ」には、昨日指摘した、会場での試飲調査の限界がありました。

ペプシの新製品開発部門に長年勤めていたキャロル・ダラードは、
「試飲では甘みの強い製品が好まれる傾向がある。でも、一本飲み切ると、甘すぎて飽きてしまう」と言っています。

ペプシは、コークよりも甘みが強い。ですから、少量しか飲まない試飲では、コークよりもペプシが有利だったわけです。

また、コークにはレーズンとバニラの風味があるのに対して、ペプシは柑橘系の風味が広がります。さわやかな風味ですね。

この点も、試飲調査でペプシが好まれる理由だったそうです。しかし、この風味は1本飲む間に消えてしまいます。

したがって、もし自宅で継続的飲んでもらう「ホームユーステスト」を実施していたなら、
ペプシ・コーラとコークの評価が異なっていた可能性があります。
やはり、消費者は同じ製品に対して「2種類の感想」を持っていたかも知れないわけです。