高嶋さん、隙あらば大阪桐蔭
 
 愛工大名電は外野手がフェンスのすぐ手前で守っていました。明豊の打者がどんなにいい打撃をしても、本塁打にならない限りは、ことごとくフェンスの手前で捕球してしまう。本来なら定位置から背走して追うような打球なのに、前に出ながら捕球するシーンもありました。

 この徹底ぶりが成功しました。甲子園は打球がよう飛ぶんです。外野手が深く守るのは、甲子園で有効な戦法の一つということを証明しましたね。
 愛工大名電はバッティングも素晴らしかった。ヒットのほとんどがセンター前。練習からしっかり意識して取り組んでないと、ここまで徹底はできません。スキがあれば、どんどん次の塁を狙う走塁もよかった。常に一、三塁という状況をつくって攻める。理想的な攻撃でした。

 ほんのわずかな差なんです。いい当たりが抜けるか、捕られるかというのは。大阪桐蔭はそのあたりが、とことん徹底されとるんです。(前・智弁和歌山監督)