この日、訃報を知った田原氏は「マックスビューティという素晴らしい馬に乗せてもらった。本当に感謝しかありません。ご冥福をお祈りします」としんみり語り、伊藤氏との〝確執疑惑〟の真相を口にした。

「マックスビューティが走らなくなった時に『先生、この馬はダメですよ。もう走りません』って正直に言ったんですよ。悪気はなくて感じたままに伝えたんだけど、今思えばそんなことを言う騎手を乗せられないよね。それで別の騎手が乗ることになり、僕は『なんや、オレは乗れないんか』ってふてくされ、血気盛んだったので突っ張ってしまってね」

 その後、騎乗依頼はなくなったが、実はプライベートではゴルフや食事に行くなど親交は継続。函館開催で某騎手がケガをした際には伊藤氏から「成貴、乗れよ」と数年ぶりに騎乗依頼されたが、田原氏は「先生、ここで乗ったら、僕が今まで突っ張ってきた意味がないじゃないですか」と断ったという。