こいつも壊れたな

専松、高橋礼217球で力尽きる 渾身スライダー「自分のベスト」

こん身のスライダーに、主審の右腕は上がらなかった。十三回1死満塁フルカウントから、高橋礼が投じたこの日の217球目。外角へ外れたその一球に、悔いはない。「ずっと練習してきた球種。自分のベストなボールだった」。専大松戸エースの夏は、押し出し四球で幕を閉じた。

 九回で既に体力は限界だった。だが、持丸修一監督は「高橋が打たれて負けたら仕方ない。代えて打たれたら、悔いが残るから」。高橋も「監督さんの目を見れば伝わった。我慢するだけだと思って投げた」。続投も最後の一球も、エース自身が選んだ結果だった。