キャッチャーは骨の折れるポジションである。マスクにレガース、プロテクターと身なりからして重装備だ。クロスプレーの際には、命がけで本塁を死守しなければならない。

 守りの要の任を果たしながらの2000本安打達成だから、キャッチャーのそれは余計に価値がある。

 谷繁は続ける。

「キャッチャーはね、3打席目、4打席目になると、握力が落ちてくる。1試合に130球も140球も受けていると、ミットの芯から外れたところで捕る時もある。“痛っ”となりますよ。そのまま次のイニング、先頭打者として打席に入ると、もうバッティングどころじゃない。力が入りませんから……」

球捕るだけでも大変だからなあ