「監督の判断で投手交代になり、福谷浩司投手から福投手に代わったんです。福投手は、前の年に最優秀中継ぎを受賞しているので、『今年もやってくれる!』と期待していました。しかし、この年のプレー内容に疑問もありましたし、6月上旬の試合から調子が落ちてきたようには感じていました。

投手交代に不満もありましたし、交代後、福谷投手は、手を組み、祈るようにしていたんですよ。そうしたら、福投手が勝ち越し打を打たれてしまって…ベンチでうなだれている福谷選手を見て、頭に血がのぼってしまったんです。ブツッときてしまいました」

咄嗟にツイッターで放った言葉は「福、死ね」。脊髄反射的にツイートした。

「ツイート内容は、ただの感想です。これまでも、野次のつもりで『アホ』『ボケ』『カス』などとツイートしたことはありますが、『死ね』は滅多に使わない言葉なんです」

「本当に死んでほしい」と願って「死ね」と投稿したわけではない。ツイートした瞬間は、期待が高かった分、怒りでいっぱいになった。「期待しなければ、『死ね』とは言いません。私も親に死ね死ね言われて育ってきていますから」と男性は語る。

ツイート後、「なんか言わなきゃ」と思っていた男性の視界に飛び込んできたのは、空を見上げる福投手の姿だった。そこで投稿したのが「天を仰ぐヒマがあるならば、天に召されてくれないかなあ」という一文だ。

「冗談のつもりでした。どすべりしましたけどね。福投手が嫌いだから『死ね』と言ったわけではありません。たとえ、今日打たれたとしても、明日活躍したら、『おまえはドラゴンズの宝だ』と言うつもりです。ドラゴンズの『負け』は、ドラゴンズの『勝ち』でしか上書きできません」