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現在、いずれの先進国も経済は爛熟期に入り、年間成長率は1~3%程度で推移しているにも関わらず、なぜ、たった1年でこんなにも「経済規模」が大きくなっているのか? その理由こそ、国際比較上一番気をつけねばならない点だ。

 それは、「為替レート」の変化に他ならない。

 2020年から2021年へと年平均値で見れば、ポンド/ドルは11%のポンド高、ユーロ/ドルは7%のユーロ高となっている。この結果がそのまま、ドル換算で見た1人当たりGDPの「下駄」となり、見かけ上の経済規模が拡大しているのだ。日本はこの真逆であり、為替レートで円安が進んだことが、「見かけ上の経済規模(≒賃金水準)」低下の最大の理由だろう。