叩かれるのは太田氏だけではない。ワイドショーでコメンテーターをしている橋下徹氏、古市憲寿氏、田崎史郎氏なども批判されたりしている。彼らは報道が過熱している現状に懸念を示したり、山上徹也容疑者の「テロ」が実質的に成功してしまっていることを指摘したりしているのだが、「破壊的カルトをかばうな!」「被害者救済は二の次か!」「論点ずらしだ!」などと猛烈なバッシングを受けている。「旧統一教会を厳しく批判しない者は人にあらず」というムードが盛り上がっているのだ。

 …と聞くと、「素晴らしいじゃないか!世論が盛り上がれば、政府だって宗教法人法に基づいた解散命令を出さざるを得ない」と喜ぶ方も多いだろうが、筆者は今のムードには一抹の不安がある。

 30年前にワイドショーで連日大騒ぎをしていた「統一教会」の被害が、いつの間にやら忘れ去られていたように、日本人は基本的に熱しやすく冷めやすく、しかも「忘れっぽい」からだ。