記念すべき球団初勝利を調べると、サプライズの連続だった。前身球団の西鉄クリッパース時代、1950年3月16日に大須球場で行われた対東急戦。21-14で乱打戦を制した。西鉄は開幕戦から連敗し、3戦目で手にした初白星だった。

 両チーム合わせて1試合35得点は、いまだ破られていないプロ野球記録だ。

 当時の西日本新聞紙面などから試合の様子を見ていこう。3回、西鉄は東急先発の浜田宏と2番手米川泰夫を攻めて一挙に9点を挙げた。4回にも5点を加え14-0と一方的な試合展開となった。西鉄先発の武末悉昌は、“青バット”大下弘が3番に座る東急打線を2点に抑えたが、リリーフ陣の不調と6失策もあって、終わってみれば大量14失点。6球団ワーストの防御率ながら、「山賊打線」の爆発でリーグ連覇した2018~19年の西武の姿を連想させる試合だった。