安藤忠雄さん大いに語る
「転機となったのは35歳で手がけた「住吉の長屋」です。コンクリート打ちっ放しの箱のような家です。ただでさえ狭い住居スペースの真ん中に中庭をつくり、「トイレに行くのに傘を差していかなきゃならないのか」とさんざん批判もされました。しかし私は、自然の一部に生活があるべきであり、それこそが住まいの本質だと考えて、小さな敷地に自然を取り込む方法を突き詰めたのです。安易な便利さに流されない、「住む人が闘う」住まい。この住宅が私の建築の原点になりました。」