数年前から勤続疲労は否めず、本紙に「春のキャンプはどの角度で腕を振れば痛くないかを探すことから始める」と明かしたことも。今季は24試合で防御率5・66、0勝3敗7ホールド、1セーブと限界が来ていた。術後は全治3カ月で今季の復帰は絶望的と聞き、胸をなで下ろしているのが巨人の編成担当だろう。

6月に入って「左のリリーフが高梨と今村しかいない」という原辰徳監督(64)の意を受けて、トレード候補の救援左腕を探し回り、標的を実績十分ながら6月1日から2軍調整が続いていた宮西に絞った。だが、日本ハムとの交渉で「向こうが出してきた条件は松原を含めた複数人数との交換」と球団フロント関係者。今季の松原は絶不調とはいえ、昨季135試合に出場した準レギュラー格の27歳外野手の放出は「要求が厳しすぎて飲めなかった」。宮西獲りから撤退を余儀なくされ、米大リーグ・パドレス傘下3Aから戦力外となったメジャー通算26ホールド左腕、イアン・クロール投手(31)に方針転換。7月の入団にこぎつけたのだった。