メルカリをはじめとしたフリマアプリには、古本や衣服など多くの私物が出品される。
そのなかに小学生の女児の下着が、しかも母親の手によって密かに売りに出されているとは、決して看過できない。

「コロナで夫の手取りの給料が3割削られ、私もバイトをクビになりました。3人目の子が生まれて貯金が底を突きかけた時、ツイッターで偶然『売り子』の界隈を見つけて。子供にお菓子を買えない日が3日続いた時に、『もうやっちゃおう』と夫に内緒で決断しました」

こう語るのは30代前半の3児の母親・ユカさん(仮名)。
生活苦に陥った彼女が藁をも掴む思いで始めたのは「娘のパンツを売る」ことだった。

「ツイッターで買ってくれる人を募集して、9歳の長女のパンツを1枚5000円で売ります。売り上げは月4万〜5万円ですね。パンツはネットや量販店でなるべく安く買って、買い手さんが見つかり次第新しいものを娘に穿かせて出品します。娘にもお気に入りのガラや色があるから、それを売ると『あれ、なくなっちゃった』と言われることはある。その時は『どこにいったんだろうね』と必死にごまかすしかないですね」(ユカさん)

正常とは言い難い世界だが、もはや後戻りはできないとユカさんは話す。

「最初は抵抗がありましたが、バイトと比べたら楽にお金が入るし、簡単にはやめられません。外で働いていないから1歳の子は認可保育園には入れないし、無認可は月4万円かかるのでとても預けられない。コロナになってから夫も遅番が増えて、私が夜働くこともできないんです」

その上で、「消費者金融にお金も借りてる。生活のためにも、娘のパンツを売るしかありません」と言い張るのだ。