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インタビューで書いてある意図やとええはずなんやが

​─ それでは坂路についてお話をおうかがいします。この3段階の勾配は、意図的というか、何か理由があるのでしょうか?

(株)ウイン代表 岡田義広氏(以下、敬称略) もともとの山の地形に合わせてつくったということもありますが、なだらかな平均勾配の坂路にするのではなく、手を加えて勾配にメリハリをつけることにしました。そうすることで、坂路コースの中にフラットコースも組み入れることができると考えたからです。

フラットコースと坂路コースには、それぞれにメリットとデメリットがあります。フラットコースは全身運動ができますが、心肺機能を鍛えるためには何周もしなければいけません。そうすると、馬には膝や球節などの脚元に関するリスクが生じますし、人間側にも馬に負担をかけることなく上手にコーナーを回るための技術が求められます。

一方で坂路コースは、重心が後ろに行って前肢に負担がかかりにくいため調教中の怪我をしにくい、坂を上るので馬が勝手に疲れてくれて心肺機能を鍛えやすいといったメリットがあります。また、乗り手にそれほど高い技量が求められません。ただし、坂ばかりではどうしてもレースで走るような身体の使い方ではなくなってしまい、完歩の小さいピッチ走法になりがちです。

つまり、理想としては「フラットコースで走る前に心肺機能に負荷をかけておくことができれば良い」ということになります。この新しい坂路では、18%の勾配を駆け上がった後、疲れた状態のまま最後のなだらかな直線で全身運動をさせることができるのです。