今回、村上を深掘りするために向かったのは、とあるスペシャリスト軍団のもと。500万球以上からデータを集める日本最強のスポーツアナリスト集団「データスタジアム」だ。

野球中継ではよく見られる打者のホットゾーンや投手の球種割合などの数々のデータ。実はこれ「データスタジアム」がリサーチしている。その数は1万6000試合、500万球以上にのぼるという。

そんな莫大なデータから導き出した村上のスゴさを野球データ分析のスペシャリスト河野岳志さんはこう挙げる。

「データとして2つあります。1つ目が150キロ以上のストレートの打率がかなり上がっていることです。これは村上選手の2022年までの150キロ以上のストレートの打撃成績です」

河野さんが分析したデータ(9月15日時点)を見てみると、2019年は本塁打0の打率.061、20年は本塁打2の打率.143、21年は本塁打3の打率.226、22年は本塁打7の打率.390と本塁打数、打率が飛躍的に上がっているのがわかる。特に去年から今年にかけての上がり幅はすさまじい。

ちなみに、王貞治さんに並んだ55号本塁打も154キロのストレートだった。村上の対150キロ以上のストレートの打率.390は、プロ野球全体の平均と比べても高いと河野さんはいう。

「NPBの平均だと150キロのストレートの打撃成績が2割くらいです」

河野さんは続ける。

「対150キロ以上のストレート打率ランキングを見ても、村上選手が1番打っていることがわかります」

2位のグラシアル(ソフトバンク)の打率.360を抑え、村上は堂々の1位(15日時点)だという。

500万球のデータから導き出された村上のスゴさの1つ目は、150キロ以上のストレートの成績が飛躍的に上がり、プロ野球界で今「最もスピードボールに強い選手」であることが分かった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b48b1bc8b10904d847923b947b7522b8a63b8d10