鈴木:今は個々の政治家と統一教会との関係が取りざたされますが、教会に便宜を与えたり、体制の保護に関わった政治家はごく一部です。それが誰だったかという「本筋」をきちんと追っていく必要があります。

塚田:統一教会は「宗教と政治」一般の問題として論じると、わかりにくくなる。そうではなく、霊感商法や強要的な高額献金で莫大な被害を生んだ団体と、政治家がズブズブの関係できたことが問題の本質です。「宗教が政治に関わるのは禁止」といった誤解を解くスタンスを心がけています。

紀藤:おっしゃる通りです。法令違反で摘発が相次いだ団体と同時並行的に付き合うことを続けるのは異常です。当時から自民党が十分な「ガバナンスコード(統治指針)」を持っていれば、この問題で安易な開き直りはしなかったはず。自民党のものの見方は甘すぎた。
かといって、統一教会の関係者と完全に付き合うなとは言いません。統一教会の機関紙である世界日報のニュースの裏づけ取材で、世界日報を取材できないことはありえません。事実には党派性がないから、事実を突き詰めようとする時に統一教会の関係者との交流を一切禁じることはおかしい。それでは被害者の救済もできなくなる恐れがあります。