この匂いは『ペトリコール(Petrichor)』(ギリシャ語で『石のエッセンス』の意味)と呼ばれています。まず、雨粒が地面や植物の葉などに衝突したとき、微小な粒子を含んだ気泡(エアロゾル)が放出されます。次に、植物由来の油が付着したエアロゾルが乾燥した粘土質の土壌や岩石に当たった際に、それらがもつ成分がエアロゾルの中に取り込まれます。これが空気中に巻き上げられることにより独特の匂い、ペトリコールとなって、私たちが感じる『雨の匂い』になるのです」(京都リフレ新薬)

ペトリコールという言葉は、オーストラリアの鉱物学者イサベル・ジョイ・ベアーとR・G・トーマスが1964年、科学誌『ネイチャー』に発表した論文が起こりのようです。2015年にはアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループが、落下する雨粒をハイスピードカメラで観察し、ペトリコール発生のメカニズムを解明しています。

雨がまだ降っていない場所でも、不思議と雨を感じさせる匂いがすることがあります。

「これは、雨が降っているところで匂いを取り込んだエアロゾルが、風などによって運ばれてきたことが一因と考えられます」(京都リフレ新薬)