「木佐貫が投げたのは故意でも威嚇でもありません。彼がそんな球を投げられる性格のピッチャーではないことは、僕も知っていましたからね。俺は大丈夫だから。この言葉を必ず新聞に載せてほしい。まだ締切間に合うかな?」
「ひっかけたんだろ。次もどんどん思い切って投げてこい。そうでないとほかのバッターにも投げられなくなるぞ。もしもう一回ぶつけても俺は怒らんからな」

投手の中には頭にぶつけると、恐怖のあまりその後ピッチングフォームを見失う「イップス」に陥る選手がいる。金本はその症状で投手生命を終えた選手を知っていた。
「若い投手の将来を潰したくない...」
だからこそ金本は若い木佐貫のことを気遣った。

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