>その湯浅投手が「恩師」と慕うのが、現役時代は新人王に輝くなど活躍し、現在はライバル球団のヤクルトで投手コーチを務める伊藤智仁さんです。
湯浅投手は高校時代に腰の成長痛に悩まされて目立った実績を残せず、卒業後に独立リーグの「富山サンダーバーズ」に入団。
そこで当時監督を務めていたのが伊藤さんでした。
球団の永森茂社長は、伊藤さんが湯浅投手の将来性を一目で見抜き、丁寧に育てていたと振り返ります。

しかし、プロ入り後、湯浅投手を待ち構えていたのが、またも腰の痛み、「腰椎分離症」でした。
中学生などの成長期のスポーツ選手に出やすいと言われ、疲労骨折が原因と考えられる症状です。
1年目から3回発症し、2年目は2軍ですら登板できませんでした。

この時、支えとなったのは、自身も現役時代にたび重なるけがに苦しんだ伊藤さんからの励ましでした。
それは「“あおいくま”作戦で頑張れ」というメッセージ。
“あおいくま”とは『あ』せるな、『お』こるな、『い』ばるな、『く』さるな、『ま』けるな。
湯浅投手はみずからのグローブに“あおいくま”の刺しゅうを入れて、常に心に留めながらリハビリに励みました。


ええ話やん