その中で、今季精彩を欠いた最速166キロ右腕のチアゴ・ビエイラの動向を他球団が注視している。9試合登板にとどまり、0勝2敗、防御率9.82。6月下旬以降はファーム暮らしが続き、一軍復帰を目指していたが、8月11日のイースタン・ロッテ戦(ロッテ浦和)でプレー中に負傷した。8回二死でセーフティーバントを試みた西巻賢二の打球を捕球してタッチした際に転倒。自力で歩くことができず、「左脛骨骨折」で戦線離脱した。この故障でシーズン終盤の一軍復帰は叶わず、不完全燃焼に終わった。

 セ・リーグの編成担当は、ビエイラの能力を高く評価する、

「今年は制球難で結果を残せなかったが、春先のファームでは160キロを超える直球で安定した投球を続けていた。制球に苦しんでいる原因が、技術面か精神面の問題なのか分からないが、あれだけの剛速球を投げる投手はなかなかいない。練習熱心だと聞いているし、NPBで3年間プレーしているのも大きい。巨人を退団することになれば、獲得を検討する価値は十分にある」

安定した投球を見せた昨季

 制球難が課題とされているが、昨年は安定した投球を見せていた。56試合登板で0勝3敗19セーブ1ホールド、防御率2.93。守護神を務めるなど救援で奮闘した。8月13日の中日戦(東京ドーム)で、直球がNPB史上最速の166キロを計測。力でねじ伏せるだけではない。スライダーの精度が上がったことで投球の幅が一気に広がった。7、8月は計12試合登板し、0勝0敗9セーブ、防御率0.00で自身初の月間MVPを受賞。9月1日のヤクルト戦(京セラドーム)で、NPBの外国人新記録の32試合連続無失点を達成した。普段は陽気な性格だが、マウンドに入ると戦闘モードにスイッチが入る。闘志あふれる投球スタイルで、打者を抑えた際のド派手なガッツポーズが話題になった。

 能力の高さは誰もが認める素材だけに、制球難を解消すればまだまだ活躍できる可能性を秘めている。160キロを超える直球を投げられる投手は、球界でもなかなかいない。ビエイラが来季プレーする球団は果たして――。

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