青柳さん矢野先生に感謝

 鮮明に覚えていることがあります。19年7月6日の広島戦(甲子園)。僕はその日ダメだったらファームに行くと思って、すごい気合を入れていきました。でも、4回途中で降板。しかも打者が投手・アドゥワの時に交代を告げられて、投手としては屈辱的でした。

 次の日に監督室に呼ばれて話をしました。その時は僕も子どもだったので(笑)。声も出さなかったですし、ふてくされて試合を見ているだけでした。それを監督は見ていて、「あの姿勢はなんやったんや?」と。「これからエースになっていくには、納得いかない交代でも、自分がつらい場面でも、チームはまだ戦っている。自分がやられた試合を他の人に任すんだから、前に出て誰よりも声を出したりとか応援する姿勢というのは絶対大事にした方が良い」と話をしてもらいました。

 「エースになるため」。当時6番手の投手にそう言ってくれたんです。そこまで思って使ってくれているのかなと、うれしかったですし、また一から、監督のために頑張ろうと思えた試合でした。