手描きにしてくれてほんと良かったよ


 ◇手描き文化をなくしたくない
 「ガンダム」シリーズは、手描きのMS戦が魅力になっている。6月に公開された劇場版アニメ「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」では、MSがほぼCGで描かれ、最新技術によって、新たな表現に挑戦した。「水星の魔女」もCGになるのでは、と予想したファンもいたようだが、シーンの多くは手描きになるという。

 「コクピットはCGなのですが、MSのほとんどは手描きで制作しています。やはり手描きのロボットは魅力的なんですね。CGだから表現できることもあるのですが、CGではできないこともまだあります。テレビシリーズで、手描きのロボットアニメを作るのは、非常に難しくなってきていますが、その文化をなくしたくないとも考えています」

 手描きならではのよさもある。
 「ケレン味を出せますし、ロボットを無機質に描くことができれば、有機的に描き、時にはキャラクターのように描くこともできます。パイロットの心情も表現できます。もちろん、手描き、CGのどちらかを完全に切り捨てるわけではなくて、今後もそれぞれのよさや強みを生かしていきたいと考えています」