>>382
小説でこんなこと言ってるのに?


「ただいま、エアリアル。喜んでちょうだい。扉が開いたの」
 扉? なんのこと、お母さん。
「アスティカシア高等専門学園でモビルスーツの決闘が行われるわ。それに勝った人間が、デリングの一人娘と結婚するの」
 デリングというのはベネリットグループの総裁だ。この水星基地もベネリットグループの持ち物だ。
 だからこそ水星の人たちは、僕らを受け入れるのを躊躇った。魔女とレッテルを貼って、お母さんたちを魔女狩りしたのはデリング総裁だから。
「エアリアル、あなたたちは学校に行きなさい」
 あなた、たち?
 僕と……まさか、スレッタ!? 
「私の最高傑作さん。あなたがスレッタの剣になるのよ」
 ダメ。
 ダメだよ、お母さん。
 僕はいいけど、スレッタはダメだ。あのコは、あんなにいいコなんだから。
 復讐なら僕らだけでやろうよ。スレッタを巻き込まないで。
 でも、お母さんに僕の声は届かない。
「見ててね、みんな。私たちの娘が、仇を取ってくれる!」