沖縄県八重瀬町の東風平中学校に通う平良力也さん(13)と母親の富士乃さん(45)がこのほど、ガソリンや灯油などを取り扱う国家資格「危険物取扱者・乙種4類」に親子そろって合格した。力也さんが小学6年生のころから母と子の二人三脚でチャレンジを続け、ようやくつかんだ合格に満面の笑みを浮かべた。(社会部・銘苅一哲)

 きっかけは、暗記が得意だった姉の利々香さん(22)が14歳のころに危険物取扱の資格に合格したことだった。優しい性格で少し控えめな力也さんが中学入学を前に「何かにチャレンジをして自信を持ってもらおう」と資格取得を母が提案し勉強を始めた。

 乙種4類はガソリンスタンドなどで働く際の採用に有利とされ、手当が付く場合もある。大人でも合格するのが難しいため登校前の午前5時から30分間の勉強を毎日続け、夕食後も母とリビングで参考書の問題に向き合った。

 「せっかくの機会だから」と母子2人で試験を受け、富士乃さんは3度目の試験で先に合格。力也さんは今年8月の5度目の挑戦でようやく合格をつかんだ。

 力也さんは「将来の夢は特別支援学校の教員だけど、資格を取ったのでガソリンスタンドでもアルバイトをしてみたい」と話し、乙種の4類を除く1~6類の取得にも意欲を見せた。

 富士乃さんは「息子に成長してもらえたと思う。私も資格を取った後にガソリンスタンドに採用され、役に立っている」と優しいまなざしを息子に向けた。