今季、チームの正遊撃手として135試合に出場した中野に関しては、二塁へのコンバートも視野に入れる。「一度、二遊間を固定したら(シーズンの)80%は固定する。二遊間は連係というか、ゲッツーにしてもボールの(送球する)位置も違うからな。最終的にどういうコンビを組ますかは2月になると思うよ」(岡田監督)。まずは秋季練習と高知・安芸での秋季キャンプでしっかりと選手個々の状態と能力を見極めていく構えだ。

 今季、佐藤輝は右翼、大山は左翼として出場することも多かったが、「大山は一塁、佐藤輝は三塁で固定し守備固めも代走も出すつもりはない」と岡田監督は就任会見時に既に明言している。そうなると、ポッカリとポジションが空くことになるのが外野。中堅にはチーム不動のレギュラー・近本が就くことが確実視されているが、左右両翼のポジションは激しいレギュラー争いが展開されることになる。

 新指揮官の意向を念頭に置き、「強打の右打ち外野手助っ人」の獲得も進められているが、もう一人、〝最後のチャンス〟を与えられることになりそうなのが高山俊外野手(29)だ。ルーキーイヤーの2016年には打率2割7分5厘、65打点、8本塁打の成績をマークし新人王に輝いたが、その後は徐々に成績を落とし続け、今季の一軍出場試合数はわずか38。今季までテレビ・ラジオの解説業などで甲子園のネット裏からチームを見守ってきた岡田監督は「なんで高山はファームにおるんや。あいつはここ(一軍)におらなあかん選手やろ」と度々発言。背番号9のポテンシャルには大きな期待を寄せているだけに、来季30歳になる高山にとって23年は、今後のプロ野球人生を左右する大切な一年となりそうだ。

 近本、佐藤輝、大山のドラ1トリオは今季、クリーンアップも形成。ここに高山が加わり「ドラ1カルテット」が誕生すれば、新生岡田虎の布陣はより厚みを増すだろう。
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