プロの世界に身を投じ、苦しみと真正面から向き合うようになる。
1軍と2軍ではっきりと引かれた線。
首脳陣は期待を込めて鼓舞してくれているのは分かっても、ふとした言葉が鋭利に突き刺さる。
「そんなんやったら一生2軍だぞ」
「だからダメなんだ」……。
弱い自分に打ち勝とうとすればするほど、知らないうちに自分を追い込んでいた。
自ら病院に出向き、自律神経の病気だと診断を受けた。
一部の球団スタッフには打ち明けたが、チームメートや首脳陣にはなかなか言えなかった。
「『滝野って弱い』と思われるのが嫌だった」。