1年春から指名打者に入ってリーグ戦デビュー。1年秋には本塁打を放つなど長打力が魅力だ。しかし2、3年と試合出場はおろか、ベンチ入りもなかった。1年時に父親が亡くなったことなど、さまざまな出来事や思いが重なってしまったことで「野球を嫌いになったというか、やりたくないと思ってしまった」。全体練習にも参加せず、一日中寮の部屋にいたこともあったという。

 最終学年となり、周囲の助言もあって練習に復帰。細くなった体を大きくするため食トレに取り組むなど、必死に2年間の空白を埋めようと努めた。ずっと寮にいたときも久しぶりに練習に出たときも、それまでと変わらず接してくれた同級生に「待っていてくれたのかな、と思った。試合に出ていない人たちのためにも勝ちたい、と強く思いました」。今春のリーグ戦は一塁や右翼を守り、10試合に出場。逆方向の左翼席にたたき込むなど、2本塁打を放ち優勝に貢献した。