3年生は春に3割1分6厘。秋は2割7分と打率こそ落としたが、前年より数字が改善されたのは明らかである。技術的な側面はもちろん作用しているだろうが、根底にあるのは心の持ちようなのだと、山田が明かす。

「『自分はダメだ』と思い込んだら絶対に成長できないと思うんで。いいことも悪いことも経験させてもらうなかで、明るく前を向いて頑張ってやることが一番かな、と」

 ネガティブな話題であっても、山田は常に顔を上げている。「はははは」と最後は笑顔で結ぶことが多かったが、そこに悲観の色は見えない。この精神も、ぴったりとハマる。

「立教の貴公子」

 あるいは「プリンス」と呼び名を変えてもいい。山田に付けられた愛称である。

「別に悪口ではないんで。『ありがとうございます! 』って感じで、ふふふふふ」

 端正な顔立ちだけではない。自身が意識するように結果に囚われず、明るく振る舞う。グラウンドに立つ山田には、選手として、人としての光がある。だから、そう呼ばれる。

 貴公子の自覚は、肩書にも表明されている。4年生となり、山田はキャプテンとなった。

「自分は人に強く言えなかったり、あまりキャプテン気質ではないんですけど」

 マインドを俯瞰しながらも、「1年からあれだけ試合に出させていただいて、とにかく責任感が増しているので」と自らの立場を理解し、率先してチームの一歩前に出る。

 自覚と責任が、神宮球場で体現される。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2cd5fc6c4d14b200b307611f7b8483f734b8681e?page=3

立教のプリンスやぞ