1位指名の抽選に外れて将来性を重視した補強になったのがソフトバンク、ヤクルト、オリックスの3チームだった。

 ソフトバンクは斎藤を外すと外れ1位で習志野高の山下斐紹捕手を指名。2位で広島経大の柳田悠岐外野手を指名したが、その後も3人の高校生を指名と将来性をにらんだ補強となった。

 一方のヤクルトは1位で斎藤、外れ1位で塩見と2度のくじ引きで外れて指名したのが履正社の山田哲人内野手。山田は俊足、好打の大型内野手として高校生候補の野手ではトップの人気だっただけに、何とか“合格点”かもしれないが、それでも即戦力投手の補強という観点からは一歩出遅れた感は否めない。2位で指名した伯和ビクトリーズの右腕・七條祐樹投手がどこまで戦力になるか、に期待をかけるところだろう。

 そして今年のドラフトで最も悲惨だったのがオリックスの岡田彰布監督だったのは誰の目にも明らかだ。

 1位で大石を外し、外れでは伊志嶺をロッテに持っていかれた。さらに愛弟子・T-岡田の後輩となる山田もヤクルトにさらわれて、なんと1位指名くじ引き3連敗は史上初のことだった。「2回目からは重複せんと思って安心しとった。情報不足。大失敗よ」

 岡田監督自身がこう嘆いたように、ドラフト戦略自体は大失敗に終わったことになる。そして、外れの外れの外れとして指名したのは、前橋商の後藤駿太外野手だった。

「イチロー2世みたいな選手と聞いているし、見るのが楽しみや」