黒田レジェンドを見習えよ

9月のある朝。安倍さんがいつものように道端のごみを拾っていると、サングラスにマスク姿の男性が近づいてきた。背が高く、がっちりとした体格。 「拾います」。男性は言い、一緒にごみを集めてくれた。別れ際、男性が「誰か分かる?」とサングラスを少しずらし、安倍さんはのけ反った。「えっ、なんで。まさか。こんなところで」。すぐに、あのレジェンドだと分かった。

 カープファンの安倍さんは慌ててかばんから使いかけのノートを取り出し、サインをお願いした。「失礼かも」とも思ったが、黒田さんは快諾し、ボールペンでサインして立ち去った。夢のような朝の5分間の出来事だった。