今回のノミネート選手たちは往々にして“妥当”と言えるのだが、一部で物議を醸す選手も選ばれている。ア・リーグの捕手部門に入ったマーティン・マルドナード(アストロズ)だ。

 36歳のベテランは、ワールドシリーズ進出を果たした「最強軍団」を支える扇の要としてたしかに貢献した。しかし、ことシルバースラッガーとなると違和感を覚えずにはいられない。というのも、今季の彼の打撃成績は「最も攻撃的な選手」のそれではないのである。以下が、主な打撃スタッツだ。

打率:.186
本塁打:15
打点:45
出塁率:.248
長打率:.352

 そのほかに捕手部門でノミネートされたサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)は、打率.254、23本塁打、出塁率.292、長打率.465もある。「今年は不振だった」とも言われる彼と見比べてもマルドナードの成績は、やはりファイナリストとして懐疑的にならざるを得ない。

 現地でも「守備的捕手」とされてきたベテランの選出には異論が噴出している。米メディア『Eutaw Street Report』などに寄稿しているディロン・アトキンソン記者は自身のツイッターで「マルドナードは打率.186、出塁率.248、長打率.352でシルバースラッガー賞のファイナリストになった……。笑えるな」と皮肉を投稿。また、カナダで執筆活動をしているブレンダン・ヘイスラー記者も自らのツイッターにこう記している。

「彼(マルドナード)はいったいなんでノミネートされたんだ? 毎日試合に出たレギュラークラスの選手の中で言えば、彼はシーズンを通して野球界で最悪の打者の一人だったのに」

 エンジェルス時代には、「投手・大谷」を支えた名捕手として話題となったマルドナード。今回のノミネートは、そんな彼をチームへの貢献ぶりを称えての評価だったのかもしれない。だが、彼の打撃成績を見るに、もしも彼がアストロズに所属していなかったらと思わなくもない……。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7e5fb224cc7bf44842c432d65ecc002c90696bbf