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巨人坂本に闘魂…広島駅で盟友長野が手を振っていた

https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/amp/202011230000707.html


新大阪駅から決戦の地、博多へ出発して約1時間20分。新幹線が広島駅に到着した直後、車内がザワザワし始めた。ふと、ホームに視線を向けた坂本の目に映ったのは広島の長野だった。事前の連絡もなく、理由やなぜそこにいるかも不明。ただ、底抜けの笑顔で手を振り続ける姿を目に焼き付け、闘志が湧き上がるとともに沈みかけた心も上がった。

「チョーさんがいる」。日本シリーズ2試合を戦った疲労から、眠りにつく選手もいる中で菅野ら同じ車両に乗り合わせたチームメートへと伝えた。「えっ? 何で?」と驚きながら、伝言ゲームのように長野の存在が伝わっていく。時間にすれば1~2分ほどだったが、一通り手を振った後、忍者のようにホームの陰に消えた。

坂本はスマートフォンを手に取って、メールで感謝を伝えた。長野が巨人時代には「サカチョー」と称され、12年にはともに最多安打を獲得。アベック弾は13度を数えた。広島出発後、駅にいた理由について、長野は「えっ? 行ってませんよ」とけむに巻いた。偶然なのか、待っていたのか。ともかく、長野が笑顔で手を振る姿に元気をもらったのは確かだった。

約3時間後、ペイペイドームで全体練習に臨んだ。ノックでは声で盛り上げ、フリー打撃では快音を響かせた。連敗で迎える第3戦に向け、広報を通じ「やられたら、やり返す。倍返しだ!」とドラマ「半沢直樹」のセリフで巻き返しを宣言。「食事会場でとんこつラーメンを食べて、英気を養って明日の試合に備えます」と好物のラーメンも力に変える。【久保賢吾】