かわいそう
ちゃんと目の前で謝罪するべきや


わずか数秒の間に天国と地獄を味わった1日から、6年近くが経過した。悔しさは晴らせたか? そう問われると「いや、まだまだです」と否定する。
「あれがあったから頑張れている部分もある。あそこで悲鳴をあげた人全員を後悔させてやるんだという感情は今も持っています」
白鴎大4年生だった16年秋、阪神からドラフト1位指名を受けた。他に目玉候補もいた中、本人も驚いたサプライズ指名。その瞬間に会場内の観客から響き渡った後ろ向きな反応は「一生、忘れることはできない」という。
「プロ野球選手になるという夢がついにかなったのに、頂点からどん底に落ちてしまって…。誰が悪い訳でもないことは分かっています。でも、あの時の悔しさは、僕が野球を引退するまで常に持ち続けていたい気持ちの1つなので」
658試合目での100号は田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布に続いて球団日本人4番目のスピード。ただ、大台到達はあくまで長いプロ野球生活の通過点に過ぎない。
大山には今、新たな夢がある。
「あの時に悲鳴が上がって良かった、ありがとうございましたと感謝できる野球人生にしたい」

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