北海道の失敗、クロマグロ取りすぎ 他県に動揺
2017/10/21 20:00 日本経済新聞

■初日で枠を突破
水産庁によると、
将来の親魚として特に手厚く保護している体重30キログラム未満の未成魚(小型魚)の漁獲上限(7月からの1年間)を全国で580トンと決めている定置網では、10月6日時点で770トンも漁獲があった。

北海道が57トンの枠配分に対し540トンも取ったことが原因だ。
そのあおりを受けて、枠を共同管理する20道府県は6日付でクロマグロ漁獲を自粛することになった。

南かやべ漁業協同組合(函館市)では、新しい漁期が始まった7月の初日に同漁協に認められた30トンの枠を突破。
ブリやサケの漁期に入ってもクロマグロの混獲が続いた。
特に9月28日以降は連日のように大量水揚げを記録し、同漁協管内だけで7月からの累計水揚げ量は450トン規模になるという。
漁協幹部は「ブリだと思って漁獲し、マグロだとわかった後でも放流して資源として再生できるか疑問だった」などと説明する。
クロマグロ狙いの操業という疑念は払拭できず、水産庁や道庁への釈明やお詫びに追われている。