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イーロン・マスク 製造工程を極めるための5つのステップ
https://jabba.cloud/20210807-elon-musk

ステップ1 要件定義にあるバカさ加減を少なくする
ステップ2 プロセスをできるだけ削る
ステップ3 最適化
ステップ4 高速化
ステップ5 自動化

例えばテスラでモデル3の電気自動車を作ってた時、車の底にバッテリーパックがあって、それはカーボンファイバーでコーティングされていたんだ。製造工程でそのカーボンファイバーコーティングが問題で、まず自動化をかんばった。ロボットをチューニングして少しづつ自動化を向上させた。その後さらにスピードを上げられないか、といろいろと知恵を絞った。その時にやったのはバッテリーをコーティングする際の持ち上げ方やらを工夫して、最適化もがんばってたんだ。ある程度は成功したのかもしれない。

それで最後に聞いたんだ「ところでこのカーボンファイバーのマットはなんのためにあるんだ?」って。

そしたらバッテリー制御チームが「それはノイズと振動を吸収するためです」って言うんだ。

それでノイズ解析チームに行って同じ質問をしたんだ。そしたら「それは火災防止のためです」って言うんだ。

それで「おいおい、君らなに言ってんだよ」ってなって、 それぞれのチームに集まってもらってしっかり話し合ってテストもしたんだ。ノイズと振動をマイクで拾って録音して、マット有りとマット無しの違いを調べて、火災検査もそれぞれやって。それでなんの違いも無かったんだ。どんなテストをやってもマット有りと無しの違いがひとつも出てこなかったんだ。結果的に「カーボンファイバーのマットなんかいらねーよ!」ってなってね。

そこのカーボンファイバーの製造過程のコストはだいたい 200 万ドルだったね。コーティングのために自動化をがんばって、高速化のアイデアもいろいろ試してやってたのが全部無駄だった。全部だ!

素直に言ってテスラには世界有数の頭のいいエンジニア達が集まってるよ。その賢い人達の知恵を結集して高速化や自動化に邁進して、たったひとつの素朴な疑問「このマットはなんのためにあるの?」という小学生でもできそうな質問を見逃していたんだ。

こういうのはよくあるんだよ。ここで学んだのはこの5つのステップの順序だ。1,2,3,4,5としないといけない。カーボンファイバーの件は大きなミスで5,4,3,2,と後ろからやってしまってた。

手痛い間違いだったけど、多くを学んだよ。